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風邪の予防と対策

 ふだんから何気なく使っている“風邪”とは、いったいどんな病気なのでしょうか。風邪の正式名称は「風邪症候群」といい、「普通感冒」「インフルエンザ(流行性感冒)」「咽頭炎」「気管支炎」といった空気の通り道である上気道の急性炎症を指しています。では、いわゆる風邪とインフルエンザの違いについて比較してみましょう。

風邪とインフルエンザの違い

〈症状〉

普通感冒→
のどの痛み、鼻汁、くしゃみ、せきなどが中心。熱は高くても38度くらい。全身症状はあまりみられない。(*全身症状…強い倦怠感、筋肉痛、関節痛、頭痛、悪寒)。完治までに約1週間。
インフルエンザ→
普通感冒の症状に加えて、突然38~40度の発熱があり、強い頭痛と倦怠感、関節や筋肉の痛みが出て食欲も減退。完治までに約10日間。

〈感染形式〉

普通感冒→
ウィルスの接触感染か吸い込んで感染する飛沫感染
インフルエンザ→
感染者のせきやくしゃみが原因となる飛沫感染

〈潜伏期間〉

普通感冒→
5~6日
インフルエンザ→
1~2日

風邪ウィルスを寄せつけない体をつくるには

 風邪をひかないためには、原因となるウィルスを体内に入れないことです。そのためにはウィルスが侵入する前に手洗いやうがいで洗い流してしまうこと、あるいは侵入したとしても撃退できる免疫力を蓄えておくことが予防のポイントです。
 外出から戻ったら手洗いとうがいをする、これは予防の大原則なのです。またウィルスの特性として、高温、多湿に弱いので、冬場は室内を20~25度に保ち、湿度は加湿器を利用して60~80%に保っておくと万全です。湿度が保たれていると、鼻やのどの粘膜もウィルスに対抗していける力を維持できるので室内環境への配慮はお忘れなく。
 また疲労や睡眠不足、栄養不足、ストレス過多は体の抵抗力を奪いますので、まずは十分な睡眠を心がけましょう。睡眠中は、免疫を高めるリンパ球が増える貴重な時間です。体力をつけていくにはまたとない絶好の機会ですから、何としてでも睡眠時間を確保したいものです。
 一方、食生活においては、バランスのとれた食事が第一ですが、風邪予防にも、ひいてしまったあとでも頼りになるのがビタミンCです。ウィルスに荒らされた細胞を再生するには、ビタミンCの助けが必要です。風邪をひいてしまってからでは、食品からの摂取では間に合わないくらいの大量のビタミンCが必要になりますから、ふだんから意識してビタミンC摂取を心がけましょう。
 また、日頃からウォーキングなどの軽い有酸素運動を行っていると、体を温める能力が自然に身につき、風邪予防に役立ちます。体が温まっていると白血球の活動も活発になるのでウィルスへの抵抗力が強まります。

*風邪の予防対策

風邪をひいてしまったら

 風邪をひいてしまったら、とにかく安静しかありません。普通感冒なら1週間程度で治りますが、軽視して、無理をすると細菌感染など重症化することもありますので、しっかりケアをすることが大切です。もちろん受診したり、薬を飲んだりといったことも必要ですが、家庭での過ごし方が治りの遅い早いを左右するといっても過言でありません。どれだけ薬を飲んでも休養をしなければ、なかなか治るものではないからです。体内に侵入した風邪のウィルスを排除するには、自身の防御機能を高めていくしかありません。それには十分な睡眠と休養、バランスのとれた食事です。また室内環境の配慮も欠かせません。部屋は温かく、乾燥しないように温度や湿度を設定しましょう。

風邪のときに適した食事

 風邪をひいたときには、消化がよく、栄養価の高い食事を心がけましょう。油っぽいものは消化に悪いので、温かくて栄養のバランスがとれた献立、たとえば野菜スープや湯豆腐、茶碗蒸しなどはおすすめです。特にビタミンCをはじめとするビタミン類を多く含む野菜や果物は、体内の代謝を促進させる効果があるので、積極的に取れ入れましょう。
 また脱水予防のために、水分補給も大切です。水でもお茶でもジュースでも、何を飲んでも構いませんが、あまり冷えすぎていると胃腸に悪影響ですので注意しましょう。ただし、アイスクリームは栄養価が高いので、度を越さない量なら効果的です。

インフルエンザ対策~ワクチン接種を受けておきましょう~

 風邪と同様に、インフルエンザも日頃から、免疫力を低下させないように、睡眠、食事、軽い運動などに配慮した生活を送ることが大切ですが、それに加えて流行シーズンにはできるだけ繁華街など人が大勢集まる場所への外出は避けたほうが無難です。また外出から戻った際にはうがいと手洗いをしっかりしましょう。
 インフルエンザは、A型・B型・C型があり、このうちC型は重症化しないため、現在は世界中でA型とB型のワクチンが用いられています。流行時期(12月下旬~3月)の前にワクチン接種を受けるのが基本です。ただし、その効果は6~7割といわれているので、接種を受けてもインフルエンザにかかることはありますが、軽症で済みます。特に、高齢者や肺、心臓、腎臓などに慢性疾患を持つ人、糖尿病や免疫不全状態の人はインフルエンザにかかると重症化しやすいので、できるだけ予防接種を受けるようにしましょう。