●肩こりの原因と予防
平成十六年国民生活基礎調査によると日本人の訴える自覚症状のなかで肩こりは腰痛に次ぐ2位にあげられています。これだけでもよほど多くの人が肩こりに悩まされていることがわかります。
肩こりは、その裏に病気が隠れている肩こりとそうでないものに分けられます。肩こりが症状の一つとしてあらわれる病気には、「変形性頚椎症」「頚椎椎間板ヘルニア」「肩関節周囲炎」「胸郭出口症候群」などがあり、ほかにも、胆石、高血圧症、心筋梗塞といった疾患の関連痛としての肩こりもあります。また目や耳、鼻の病気が原因であったり、うつ病が肩こりをひどくしているケースもあります。
原因となる病気がない肩こりのことを「頸肩腕症候群」といい、これがいわゆる“肩こり”で最も多いタイプです。約4kgある頭部を首で支え、肩から腕を下げるため、首と肩の筋肉に負担がかかり、肩こりが生じます。つねに正しい姿勢をキープしていれば筋肉にそれほど負担はかかりませんが、前かがみになると首の後ろの頭半棘筋や頭板状筋などにより大きな負担がかかります。
●肩こりの大敵は、姿勢の悪さと運動不足
大きな要因としては、姿勢の悪さ(長時間同じ姿勢をとっていること)があげられます。なかでもパソコンワークは、長時間、前かがみの姿勢で行うため、筋肉に過度の負担がかかります。マウスの使用位置や形状が不適切であると、クリックするだけでも必要以上の筋力を使います。またキー入力中に肩が持ち上がっていると首の筋負担を増大させます。
また運動不足も悪影響を及ぼします。体を動かさない→筋肉を使わない→筋力が衰えるというわけで、相対的に筋肉の負担が増加することになります。「精神的ストレス」も筋肉をこわばらせます。生活の中で体を動かす機会が減ることで運動不足は加速、また社会に一歩出ればさまざまな場面でストレスにさらされている現代。こうした日常もまた筋肉をこわばらせ、肩こりを招きやすい環境を作り出しているともいえましょう。
●簡単にできる肩こり解消法
まずは首や肩の負担を減らす姿勢を保つことが肝要です。日常での姿勢を見直してみましょう。
①体に良い立ち姿勢
背骨がなるべく自然なS字カーブを保ちも頭の重みが一方に偏らないようにします。背筋を伸ばし、あごをひいておなかをひっこめます。肩の力を抜いて、両肩が同じ高さになるように。
②体に良い座り姿勢
背骨や首を曲げた姿勢を長時間続けないようにしましょう。背筋を伸ばして首が前や後ろに傾かないように。デスクワークではいすと机の高さが合っていないと肩こりに影響しますので、いすで高さを調節しましょう。
・デスクワークでのよい姿勢とは
いすは、深く腰掛けたときに、ひざと腰がほぼ直角になるのが理想的な高さです。机は背筋を伸ばして座ったときにひじが直角にのるくらいの高さがベスト。ひじが机の上にきちんとのるようにする。
※画面を見下ろす/背筋を伸ばす/両腕は机と水平に保つ/いすに深く腰掛け、ひざと腰がほぼ直角/足の裏全体が床につくように
●日常生活で肩を守るには
意識せずに行っている日常動作にも肩こりの原因があります。例えば、バッグや荷物を持つときにいつも同じ側の肩に掛けるのではなく、左右交互にするだけでも肩こり予防の一歩です。また、靴も軽くて安定性のあるものを選びましょう。
もう一つ、朝起きたときに肩や首が凝っていたという経験はありませんか。これは、寝ている時の姿勢や寝具に問題があるので、チェックが必要です。睡眠中の姿勢を左右するのは枕の存在です。高すぎると寝ている間も首が前かがみの姿勢を強いられることになります。低すぎる枕や枕なしでは、首が後ろに反ってしまい、頚椎に無理が生じます。理想は、寝たときに首の下にできる隙間を埋め、頭から首の付け根まで頚椎全体をサポートし、しかも寝返りをうって横向きになっても頚椎への負担が偏らない枕がおすすめです。
*理想の枕とは
首、肩に無理な力がかからない、それぞれの体に合った高さで頚椎が自然のカーブに近い形に保たれるもの

