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禁煙のすすめ

 日本人男性の死因のトップである肺がんは70%、喉頭がんにいたっては、ほぼ100%がたばこによって引き起こされるといわれています。その他にも、口腔がん、咽頭がん、食道がんなどのさまざまな部位のがんや、肺気腫や動脈硬化、狭心症、くも膜下出血、胃・十二指腸潰瘍、歯周病、早産や低出生体重児といった妊娠異常などもたばこと大きく関係しています。
 喫煙の害は自分だけでなく、喫煙者が排出するたばこの煙によって周囲の人にまで影響が及びます。たばこの先から立ち上る煙(副流煙)には、フィルターを通して吸う煙(主流煙)より50倍以上濃度の濃い発がん物質が含まれているのです。つまり、この「受動喫煙」によって、周囲の人は喫煙者本人より何倍もの“毒”を吸わされているということになります。現に、非喫煙者の女性の場合、肺がんの3分の1は夫の喫煙が影響しているというデータもあります。
 百害あって一利なしといわれる喫煙。たばこの害を十分に理解し、自分のためだけでなく、家族のためにも、ぜひ禁煙を実行したいものです。

●たばこはまさに「毒の塊」

 たばこの煙には、ニコチンやタールなど4000種類以上の化学物質が含まれており、そのうちの20種類ほどが有害物質です。その代表的なものをいくつか見てみましょう。

①ニコチン→
肺胞から血液中に入り、神経を興奮させたり、鎮静させるはたらきをします。また、心拍増加、抹消血管収縮とともに血圧を上昇させ、血液凝固を起こしやすくするため、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患発症の危険が高まります。
②タール→
タールには発がん性物質をはじめ、さまざまな有害物質が含まれています。フィルターで除去できる成分ではありますが、一部はフィルターを通って体内に入り込み、気管に入った異物を取り除くはたらきをする繊毛細胞を傷つけます。
③一酸化炭素→
血液中のヘモグロビンと結びつくことで、酸素が体内の各組織に十分運ばれなくなります。そのため心臓への負担が大きくなったり、脳のはたらきが低下します。
④シアン化水素→
青酸カリと同じ仲間の有害物質です。喫煙や副流煙によって妊娠女性の血液中に吸収されると、子宮内の胎児の発育が阻害され、低体重児出生や周産期死亡の危険率が高くなります。

【あなたのニコチン依存度をチェックしてみましょう】

Q1 起きてから何分後にたばこを吸いますか?
 
Q2 禁煙スペースでたばこを吸えないのがつらい?
 
Q3 1日のなかで、一番おいしい一服は?
 
Q4 1日に何本くらい吸っていますか?
   
Q5 他の時間帯に比べ、午前中により多く吸いますか?
 
Q6 一日中病床にいる場合でも、たばこを吸ってしまう?
 
Q7 あなたが吸うたばこのニコチン量は?
   
Q8 深く吸い込む頻度はどのくらい?
   

合計

※合計4~6点は中等度の依存度、7点以上はニコチン依存度が高く、重症となります。

【ブリンクマン指数】
 ブリンクマン指数とは、1日の平均喫煙量と喫煙年数をかけた数字です。たとえば1日に10本、10年吸い続けるとブリンクマン指数は100となります。この数字が400を超えると、健康障害の危険が高くなるといわれます。
(注)たばこをやめた瞬間から、その危険度は確実に低下していきます。禁煙に「遅い」ということはありません。

●禁煙成功のポイントを知っておこう

 禁煙には、すっぱりたばこをやめてしまう「断煙」と徐々に喫煙本数を減らしていく「減煙」があります。この減煙の場合、うまくいけばニコチンによる禁断症状などに苦しまず、自然にたばこをやめられるといった長所がありますが、逆に喫煙本数が増え、結局やめられなかったという人も多くいます。
 断煙の場合、禁煙をはじめて一週間ぐらいは、イライラ、頭痛、集中力低下など、ニコチンによる禁断症状が現れます。しかし、この「たばこが吸いたい」という欲求は5~6分つづくといったん消えます。つまり、この5~6分間、いかに気を紛らわせるかが勝負なのです。ふだんあまりやらないことで、気持ちを集中できることをみつけて乗り越えましょう。
 そして何より、禁煙成功の秘訣は「肺をきれいにしたい」「たばこを買うつもりで貯金をする」などの目的をもつことです。せっかく始めた禁煙も、つい一本吸ってしまったために、そのまま禁煙をやめてしまうなどといったことがないように、前向きな目的をもって始めてください。

●それでは、いよいよ禁煙にチャレンジを!

 禁煙は、精神的なニコチン依存をいかに解消していくかがカギとなります。ここでは気軽にできる禁煙法をいくつか紹介します。たとえ失敗したからといってあきらめず、何度でも禁煙にチャレンジしてください。

 真剣に禁煙をしたいと思ったら、医療機関の禁煙外来を受診するのもひとつの方法です。2006年4月から禁煙治療のための「ニコチン依存症指導管理料」が新設され、自己負担3割の場合で、計5回の治療が2885円で受けられます。