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高脂血症を防ぐには

 高脂血症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪が多くなった状態をいいます。本来、体を維持していくのにコレステロールや中性脂肪は必要なものですが、体内で必要以上の量を超えた状態が長く続くと、動脈硬化を促進させてしまうやっかいな疾患です。

●高脂血症が動脈硬化を促進させるしくみ

 脂質であるコレステロールや中性脂肪は、血液中で水になじみやすいたんぱく質と結合した粒子(リポたんぱく)の形をとっています。リポたんぱくには、いろいろな種類があり、コレステロールや中性脂肪の受け渡しをして、分解・合成をくり返しながら全身をめぐっています。おもにコレステロールを運んでいるリポたんぱくがLDLとHDLです。LDLは、コレステロールを全身の細胞に運ぶ役割ですが、増えすぎると血管壁にコレステロールを蓄積させ動脈硬化を促進させるため、「悪玉」と呼ばれています。かたやHDLは血管壁の細胞から余分なコレステロールを肝臓に運び戻し、動脈硬化を防ぐ働きがあるため「善玉」といわれています。
 血液中にコレステロールや中性脂肪が増えすぎると血管内の血管壁が傷つけられ、そこから悪玉のLDLが入り込むと酸化されます。そして酸化LDLは体内の不要物の処理を担っているマクロファージという細胞に取り込まれます。このマクロファージが巨大化することで、血管壁が盛り上がり、血管の内腔を狭くしてしまうのです。狭くなるだけならそれほど問題はないのですが、何らかの原因で血管壁の盛り上がった部分が破れると事は重大です。破れた部分を塞ぐために血小板が集まり、血栓(血の塊)を作るため、さらに血管の内腔は狭くなったり、詰まってしまうことに。こうした状態が筋梗塞や脳梗塞という重大疾患を引き起こすことにもなるのです。

粥状動脈硬化ができるまで

①健康な状態にある動脈の内部は、細胞が石畳のように積み重ねられ、内皮細胞で覆われています。

②血管の内膜が高血圧などで傷つくと傷口からLDLコレステロールなどの血液中の成分が染み込みます。蓄積して酸化したコレステロールをマクロファージという細胞が好んで取り込みます。

③コレステロールが蓄積したマクロファージやLDLコレステロールがたまった平滑筋細胞が大きな泡沫細胞を作り出します。

④泡沫細胞が内膜にたまると膜を作り、死んだ平滑筋細胞や脂肪がヘドロ状態で包み込まれます。これが粥腫(アテローム)となって内膜を押し上げます。

高脂血症の診断基準値 *日本動脈硬化学会

*コレステロールに関しては、もともと体質的に体内で作り出されるコレステロール量が多いためにコレステロール値が上がっているケースも見られます。

コレステロール、中性脂肪を増加させる原因

 おもな原因は、食生活の変化や運動不足といった生活習慣にあるといわれています。肉類や油を多く使った食生活に偏ることで動物性脂肪の摂取量が増加しているのも原因の一つです。また動物性脂肪に限らず、食べ過ぎればエネルギー過多となり、肝臓で合成されるコレステロールや中性脂肪が増加するので、食べ過ぎも注意が必要です。また中性脂肪の増加には、甘いものやアルコールの摂取が影響します。摂取量が多いうえに、運動量が不足すると脂質を分解する力は低下し、ますます悪循環となってしまいます。

●高脂血症を防ぐポイント

 高脂血症を防ぐには、まずは食生活を見直してみる必要があります。一度、1日に必要な適正量の摂取エネルギーを算出してみると、普段摂っている食事量と比較ができ、改善のきっかけとなるのではないでしょうか。

①1日に必要なエネルギー量の求め方

1日に必要なエネルギー量=標準体重×25~35kcal
*標準体重=身長(m)×身長(m)×22

②コレステロール、中性脂肪を下げる食習慣