●脳梗塞の予防法
脳卒中のうち、脳血管がつまるのが脳梗塞、破れるのが脳出血です。最近は、脳出血が激減しているため、脳卒中全体の数は減少傾向にありますが、脳梗塞は増え続けており、脳卒中による死亡者の6割以上を占めています。これは高齢化が進んだこと、動物性脂肪中心の食事や運動不足による動脈硬化に加え、高血圧や糖尿病、心臓病が増えているためと考えられます。
脳梗塞は、脳血管そのものや心臓、その他の血管に起きた動脈硬化が原因となって発症します。つまり、動脈硬化が進行しやすい状況にある人は、脳梗塞の危険性も高いということです。
脳梗塞にかかりやすい人(危険因子)
- すでに動脈硬化がある
- 血圧が高い
- 糖尿病がある
- 長年、動物性脂肪に偏った食生活をしている
脳梗塞が起こる前には、前ぶれとなる症状が起こります。ただし2、3時間で治まるので、見逃してしまうことも多いようです。こうした症状に気がついたら、すぐに受診しましょう。
脳梗塞の前ぶれ症状
- 手足がしびれたり、マヒが起こる
- 舌がもつれてろれつが回らなくなる
- 片方の目が見えなくなる
- 吐き気を伴っためまいがする
●脳梗塞の発作を防ぐための検査法
発作が起こる前に対処、治療を行うことで重症化や後遺症などを防ぐことも可能ですから、いつもと違う気になることがあったら、脳梗塞の検査を受けておきましょう。
検査法
- 〈血液検査・心電図検査〉
- 血液検査でコレステロール、中性脂肪、血糖値などをチェックし、心電図では心房拍動など脳梗塞の原因となる異常の有無を調べます。
- 〈画像診断・X線CT検査〉
- 症状が出ていないところに生じている無症候性脳梗塞が診断されます。検査時間は2分程度で苦痛はありません。
- 〈画像診断・MRI検査〉
- CTよりごく小さな病変のチェックや脳血管の狭窄、閉塞の有無を診断できます。検査時間は15分程度で苦痛はありません。
*画像診断で無症候性梗塞や血管の変化が発見された場合は、高血圧や糖尿病、高脂血症の管理を厳重にすることが重要です。場合によっては血流をよくする薬などが処方されます。
【脳血管を蝕む喫煙と大量飲酒を改めよ】
喫煙者は非喫煙者に比べて男性では1.3倍、女性では2倍脳卒中になりやすいといわれています。喫煙は、血管を収縮させるため、血圧を上昇させ、動脈硬化を進行させます。一方、アルコールは適量ならば問題はありませんが、度を越えた量の飲酒は脱水症状を起こし、血圧を上昇させてしまいます。
- タバコは禁煙を目標に。
- アルコールは適量に。
- 〈適量の目安〉
- ・日本酒:1合・焼酎1/2合・ビール中びん1本・ウィスキーならダブルで1杯・ワインならグラス2杯
●心筋梗塞の予防法
心臓病は、がんに次いで死亡原因第2位です。なかでも狭心症や心筋梗塞の増加は著しく、心臓病の死亡者の5~6割を占めています。動物性脂肪に偏った食生活の欧米化により、肥満や動脈硬化をもたらしたことが要因と考えられています。
〈狭心症〉
心臓に栄養を送る冠状動脈の内腔が動脈硬化によって狭くなったり、血管が激しく収縮することで、心筋に十分な酸素が送られなくなり、一時的に酸素不足(虚血)になった状態をいいます。
*症状と特徴:胸全体が締め付けられるような痛みや圧迫感と息苦しさ。胸以外にもあごや歯、首やのど、肩、上腹部、腕に痛みや圧迫感が起こることも。狭心症の人、すべてが心筋梗塞に移行するわけではありませんが、いつもと違う変化を見つけたら、すぐに受診することをおすすめします。
*狭心症には2つのタイプがある
- 〈労作狭心症〉
- 階段を昇っているときなどの労作時や興奮したときに起こります。安静にすると数分で治まるのが特徴です。
- 〈血管攣縮性狭心症〉
- 就寝中や安静時に冠状動脈がけいれんし、血管が極端に狭くなって酸素不足が起こる発作です。冠状動脈が狭窄を起こして血流が途絶えると心筋梗塞につながる可能性もあります。
〈心筋梗塞〉
冠状動脈の動脈硬化がさらに進み、血管の一部がつまって血液の流れが完全に途絶えてしまうと、心筋にまったく酸素が送られなくなり、心筋の一部が壊死した状態をいいます。
*症状と特徴:狭心症は一時的な症状ですが、心筋梗塞の1/4は発症直後、あるいは病院到着前に死亡しています。季節、週、月、昼夜の切り替えの時に発症しやすいといわれています。
●心臓の異常を見つける検査法
- 安静時心電図→検査時間5~10分
- 負荷心電図→検査時間30分
- ホルター心電図→心電図記録計と連結した電極を胸につけて24時間の心電図を記録。心電形をセットする日と取り外す日に病院へ。
- 心臓超音波検査(心エコー)→検査時間30分
- 冠状動脈造影検査→心臓の冠状動脈に造影剤を注入後、撮影。検査前日から入院が必要。
●血管の傷みは自覚症状に現れにくい
定期的な健診が心臓を守ることに
狭心症や心筋梗塞は、心臓の血管が動脈硬化を起こすことで発症する病気です。つまりは、動脈硬化を招くリスクを減らすことが、第1の予防策なのです。ところが動脈硬化は、自覚症状が出にくく、現れたときには重症化しているケースが少なくありません。特に以下の5つのリスクを持っている人は、必ず定期的に自身の体をチェックしておきましょう。
- 高脂血症
- 喫煙習慣のある人
- 高血圧
- 高血糖
- 肥満
