がんの診断、治療技術の進歩はめざましく、早期に発見、治療すれば、決してこわい病気ではなくなりつつあります。それでも依然として、死因のトップを占めているわけですから、なおいっそう予防に努めていくことが大切です。生活習慣と関係が深い疾患ですから、がんにつながりにくい食生活、生活スタイルを改善していくことが最善の予防策となります。
●がんの発生には食事とタバコが大きく関与
がんの発生要因には、遺伝や加齢といった予防のしようがないものもありますが、65%は食生活や喫煙が関係しているといわれています。タバコを吸う人は、吸わない人に比べてすべての部位でがんになる危険性が高くなっています。
非喫煙者と比較した喫煙者のがん死亡率(平山 雄1990)

がんを誘発しやすい食生活

●がんを予防する食生活とは
〈緑黄色野菜はがん予防に効果的〉
緑黄色野菜を毎日食べている人のがんへのリスクは、食べない人に比べて胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、前立腺がんなどほとんどのがんで、約20%低くなることがわかっています。ベータカロチンやビタミンCが豊富な緑黄色野菜を毎日、積極的に食べるように心がけましょう。
〈食事のとり方、量の加減によってがんのリスクは下げられる〉
がんと食生活の関係は密接であるがゆえに、毎日の食事の摂り方によって、がんへのリスクを下げることにも上げることにもなります。
たとえば胃がんの予防には、減塩が有効とされているので、塩蔵品の摂取を減らしたり、薄味の味付けを心がけることでリスクを下げることができます。また、食物繊維を多く含む食物は、大腸がんの予防に有効ですから、食物繊維を含む食品を意識して増やすことにより、大腸がんへのリスクも下がるわけです。
逆に多量の飲酒はそれだけでもがんへのリスクを高めますが、喫煙と重なるとよりいっそう危険度は高まります。ここで挙げた減塩、節酒、食物繊維を多く含む食品を摂るといったことに取り組むだけでも、がん予防につながっていくのです。
そこで日常生活において、できるだけがんの原因を追放していこうという目的作られたのが「がんを防ぐための12か条」です。これを積極的に実行すれば、がんの60%は予防できるといわれています。
【がんを防ぐための12か条】
- バランスのとれた栄養をとる:バランスのとれた食事は健康生活を守る基本です
- 毎日、変化のある食生活を:危険性を分散する意味で特定の食品に偏らない食生活を。
- 食べすぎを避け、脂肪は控えめに:過食や動物性脂肪の摂り過ぎは、がんのリスクを高めます
- お酒はほどほどに:多量の飲酒、アルコール濃度の高いお酒はがんへのリスクを高めます
- たばこはやめる:がんリスクは禁煙5年で非喫煙者とほとんど同じになります。今、すぐに禁煙を
- 食事から適量のビタミンと繊維質を多く摂取する:ビタミンA・C・E、ベータカロチン、食物繊維はがんの予防に有効
- 塩辛いものは少なめに。熱いものは冷ましてから:塩辛いもの、熱いものはがんが発生しやすい環境を作ります
- 焦げた部分は避ける:肉や魚の焼け焦げには、発がん物質が含まれています
- かびの生えたものに注意:かびには、強力な発がん物質のアフラトキシンが含まれています
- 日光に当たり過ぎない:紫外線は大量に浴びると皮膚がんの原因になることがあります
- 適度にスポーツをする:スポーツは疲労やストレス解消、健康づくりに有効です
- からだを清潔にする:不潔にしていると、子宮頸がん、皮膚がん、陰茎がんの発生に影響を与えます
